おやじ五福星への道
第三章 「風雲編」
(渡る世間は鬼ダラケ)
1 おやじ、マスオさんになる

店を出し、ヨメももらったおやじは、それまで住んでいたアパートが手狭になり、金がないことも手伝って、かみさんの実家に姑と同居することになった。

ここから、橋田寿賀子もびっくりの鬼の人生が始まったのである。

おやじは仕事柄、かみさんとともに家に帰るのが遅い。ある晩のことだった。夜中近くなって家に戻ったおやじは姑がまだ起きているのに気づいた。同居させてもらっている立場を一応は考えて、おやじは三つ指ついて姑にあいさつした。
「お母さん、ただいま帰りました」
「なんだ、三つ指なんかついて。おまえ、男芸者か」
デカイ体を目一杯丸めてあいさつしたつもりのおやじにとって、姑のその一言はいじけるに十分だった。
「オレは芸者か。フン!」
それ以来、おやじは姑とろくに口もきかなくなった。

ある日のことだった。その日は店が休みで、おやじも久しぶりにくつろいでいた。と、急にもよおしたので、おやじはトイレに駆け込んだ。
ザーッ。水を流して、ふ~と一息。おやじは何とも言えぬ安息の気分を味わっていた。おやじは用をたすと、おもむろにトイレットペーパーのホルダーに手をやった。
「あれ?紙がない」
おやじは予備のトイレットペーパーをさがした。すると、おやじの頭上の棚にはトイレットペーパーが天井まで積み上げられていた。
「よっ、あった、あった」
座高の高いおやじは便器に腰をかけたまま手を伸ばすと、そのうちの一個を手にとった。そして、そのとき、悲劇は起こった。
トイレットペーパーには、な、なんと、姑の名が・・・!!!
一個、二個、三個・・・。何個とってもその白い紙肌には姑の名が・・・。しまいには棚からトイレットペーパーをすべて落としたが、その全部に姑の名が油性マーカーで書かれていたのである。しかも油性の一番太いやつで書かれているから、インクとともに姑の名前が紙の中まで染みきっている。おやじは頭の中が真っ白になった。

どうやってトイレから出たのか・・・。おやじは記憶が定かでないまま着替えると、ふらふらと町へ出た。
トイレットペーパーの後遺症でぼぉっとしたままおやじは歩いていたが、ふとある音がおやじの耳に飛び込んできた。
「ココ掘レ、ワン、ワン!」
おやじがその声のする方へ目をやると、そこにはペットショップがあった。もともと動物好き、といっても動物をもらってきては親戚に押しつけてばかりいたおやじだが、あまりの孤独感にマジで犬がほしくなってしまったのである。

ペットショップに入ったおやじは店内をくまなく見て歩いた。顔の長いのっぺらぼうのような犬、変に気取った感じのする犬、貧乏人には飼われないよと言わんばかりの犬。いろいろな犬がいる中でおやじの目にとまったのは、顔の真ん中が真っ黒で、鼻があるのかないのかわからないようなクシャクシャの顔をした一匹のパグだった。
「こいつ、ほかの犬と比べるとみじめな顔してやがる。オレと一緒だな。よーし、おまえを飼ってやるからな」
おやじはそのパグを姑のいる家へつれて帰った。かみさんの家にはすでに犬が一匹いて、家の中が毛だらけだったので、姑はおやじが犬をつれていても何も言わなかった。姑がこのとき何も言わなかったのは、おやじに寛容だったわけではなく、ただ単に犬に麻痺していただけである。

おやじはかみさんにパグを見せた。パグ似のおやじが好みだったかみさんは、そのパグのことも一目で気に入った。
「カワイイ~」
かみさんにカワイイと言われて気をよくしたおやじは、パグに名前をつけた。その名は、「コバヤシ」。姑の実家の姓、つまり姑の旧姓がコバヤシだったのである。

「コバヤシ、このバッカヤロー!」

その日からおやじは犬のコバヤシに八つ当たりするようになった。かわいそうなコバヤシ。このころは、まだ動物愛護法はなかったのである。


2 おやじ、かみさんに殴られる

怖いのは姑ばかりではなかった。姑の血を引くかみさんもまた怖かった。ワンタンのようだと思ったのはおやじの見込み違いだった。かみさんはワンタンどころか鉄の女だったのである。

ある夜、麺が売り切れてしまったので店を早仕舞いしたおやじはパチンコ店に立ち寄った。元来無防備でものぐさのおやじは、車の中にその日の売り上げを入れたまま、鍵をかけることもなく一時間ほど遊んだ。

家にもどったおやじはかみさんに聞かれた。
「まーくん、どこ行ってたの?ケータイに電話したけど、出なかったじゃない」
まぬけなおやじはかみさんにありのままを語った。
とたんに、かみさんの平手が空を切った。
バシーン!!

ごろん・・・
おやじのデカイ図体が芋虫のように床にころげた。

「まーくん、何やってんの。あんた、バカじゃないの!売り上げ入れたまま、鍵もかけないなんて。幸い盗まれなかったからいいようなものの、ホントにこのバカおやじ!」

果たして、かみさんは鬼だろうか。否、常識で考えなくともわかりきったことである。おやじが悪いのである。


3 コバヤシ、テレビに出る

おやじは高校中退、かみさんは大卒。この格差が姑による結婚猛反対の一番の理由だった。
かみさんの親父さんは高卒で旧国鉄職員だったが、学歴社会の国鉄でだいぶ苦労したらしかった。そんな中で実力で結構のし上がった親父さんだったが、それだけに学歴重視の思いが人一倍強く、一人娘は何がなんでも大学に入らねばならず、結婚する相手ももちろん大卒でなければならなかった。
そんなかみさんのおとっつぁんも他界し(後で書くが、おやじはこのときの葬式でポイントを稼ぐことになる)、母一人娘一人となったとき、母親がおやじなんぞとの結婚に賛成するはずもなかった。
しかし、案外妙なところで姑の最低限の理解が得られることになる。
それは、親父さんの葬式での大活躍と五福星のテレビ出演だった。

かみさんは学生時代に放送局でバイトをしていたのだが、その縁でテレビ局が取材に来てくれたのである。
しかし、テレビ局の目的はおやじでもラーメンでもなく、店番している犬だった。

「ハイッ!今日は、犬がお店番しているラーメン屋さんに来ています。こちらが看板犬のコバヤシ君です。
コバヤシ君、こんにちは。今日はお客さんの入りはどうですか?」
リポーターがコバヤシにマイクを向け、テレビカメラがコバヤシをアップで映した。
「あれ?コバヤシ君、恥ずかしいんでしょうかねえ。あっち向いてしまいました。あ、そこにご主人がいらっしゃるのでちょっとだけ聞いてみましょうか。
こんにちは。あのう、今日はコバヤシ君はご機嫌が悪いんでしょうか?犬がお店番をしているラーメン屋さんがあるということで取材に来たんですけど、ひょっとして、その犬でダシ取ってるんじゃないかっていう噂もありまして、そこのところもお尋ねしたいんですがぁ~」

「バッカか~」
と、おやじは心の中で思ったが、とりあえず愛想を振りまきながら言った。
「いや、犬じゃねえっす。ブタっす」
「あ、そうですか。よかった~。安心したわ。視聴者の皆さん、ご安心ください。このお店のダシは犬じゃないそうです」

と、勝手にしゃべりまくり、テレビ局の一行は去って行った。
「なにや、何しさ来たのや?コバヤシ撮りに来ただけでねえガ?」

この状況をテレビを通して見ていた姑は、
「フン!何だ、このザマは。この程度にしか扱われないんじゃないか」
と言いつつも、悪行したわけでもないのにテレビに出られたので、ほんの少しはいい気分になっていた。

ところで、マイクを向けられたとき、なんでコバヤシがそっぽを向いたかと言えば、それは、「君」呼ばわりされたからである。いくら顔の真ん中が真っ黒でブサイクさはおやじ似とはいえ、コバヤシは女の子なのである。
おやじは自分の都合だけでコバヤシを利用しているが、コバヤシにはコバヤシの言い分がある。それは別の機会にご披露しよう。

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伊達政宗

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コバヤシ

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牛タン炭焼 利休 公式ホームページ

蒲鉾本舗 高政

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蒲鉾本舗 高政 公式ホームページ